オーバーホールしないと腕時計が壊れる?必要性とリスクを徹底解説【保存版】

腕時計

「腕時計のオーバーホールって、本当に必要なの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?

愛用している腕時計が、ある日突然止まったり、精度が狂い始めたり…。
「まだ動いているから大丈夫」と思っていると、知らないうちに内部では深刻なトラブルが進行しているかもしれません。

実は、腕時計は精密機械であり、定期的なオーバーホール(分解・点検・洗浄・再組立て)を行うことで、本来の性能を維持し、寿命を延ばすことができるのです。
特にロレックスやオメガといった高級時計をお持ちなら、オーバーホールは資産価値を守るためにも欠かせない重要なメンテナンスと言えるでしょう。

この記事では、

  • そもそもオーバーホールとは何か
  • なぜオーバーホールが必要なのか
  • 頻度や費用の目安
  • 依頼先の選び方や注意点
  • オーバーホールを怠ったときのリスク
    など、腕時計オーナーなら必ず知っておきたいポイントを初心者にもわかりやすく徹底解説します。

「時計を長く大切に使いたい」「いざという時に後悔したくない」というあなたへ。
オーバーホールの正しい知識を身につけて、大切な1本を未来に繋いでいきましょう。

時計のオーバーホールはこちらから

1. 腕時計のオーバーホールとは

大切な腕時計を長く愛用するために欠かせないのが「オーバーホール」です。
しかし、実際にオーバーホールがどんな作業なのか、修理とは何が違うのか、なぜ必要なのかを正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。

ここでは、オーバーホールの基本から、その重要性についてわかりやすく解説していきます。

1-1. オーバーホールの定義と目的

1-1-1. 腕時計におけるオーバーホールとは

オーバーホールとは、腕時計を一度すべて分解し、内部パーツの洗浄・点検・修理・再組立てを行う一連のメンテナンス作業を指します。

時計内部は非常に精密な構造になっており、長期間使用することで油の劣化やパーツの摩耗が進みます。
このまま放置すると、精度の低下や大きな故障を招いてしまうため、定期的に内部をリフレッシュする必要があるのです。

オーバーホールは、時計の健康診断と全身メンテナンスのようなものだとイメージするとわかりやすいでしょう。

1-1-2. オーバーホールをすることで得られるメリット

オーバーホールを定期的に行うことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 時計の精度を保つことができる
  • 故障リスクを未然に防げる
  • 内部パーツの寿命を延ばせる
  • 資産価値を維持・向上できる

特に、ロレックスやパテック フィリップなど高級腕時計の場合、オーバーホール履歴がしっかり残っていることで、中古市場での評価が格段に高くなります。

1-2. 修理との違い

1-2-1. オーバーホールと修理の基本的な違い

「オーバーホール」と「修理」は混同されがちですが、実は目的も内容も異なります。

  • オーバーホール:故障していなくても定期的に実施する予防的メンテナンス
  • 修理:すでに不具合が起きた部分を直すための対処作業

つまり、オーバーホールは故障を未然に防ぐためのメンテナンス、修理は故障した後に必要となる作業です。

1-2-2. それぞれに適したタイミング

オーバーホールは、目立った不具合がなくても3〜5年ごとに行うのが理想的です。
一方、修理は「時計が止まった」「時間が大幅に狂う」などのトラブルが起きた時に必要になります。

日々の使用中に異変を感じたら、早めに専門店に相談することで、大きな故障を防ぐことができます。

1-3. オーバーホールが必要な理由

1-3-1. 機械式時計の内部油の劣化

機械式時計は、内部に使われている潤滑油によって、ギアや歯車の摩擦を抑え、スムーズな動作を維持しています。
しかしこの潤滑油は、時間とともに劣化・乾燥してしまうため、適切なタイミングでのオーバーホールが必要です。

油が劣化したまま使用を続けると、摩擦が増え、パーツに過度な負担がかかり、故障の原因になってしまいます。

1-3-2. 長期使用によるパーツ摩耗の防止

腕時計は、日常の振動や衝撃、湿気、汗などの影響を受けながら稼働しています。
これにより、内部パーツは少しずつ摩耗していきます。

オーバーホールを定期的に行うことで、摩耗が進行しているパーツを早期に発見・交換でき、大きな故障を防ぐことができます。
結果的に、時計そのものの寿命を大幅に延ばすことにつながるのです。

 

 

2. オーバーホールの作業内容と工程

腕時計のオーバーホールとは、単なる「掃除」や「修理」ではありません。
プロの技術者による緻密な作業工程を経て、時計本来の性能を取り戻す重要なプロセスです。

ここでは、オーバーホールの具体的な作業内容と流れを詳しくご紹介します。

2-1. 分解・洗浄・注油・組立の流れ

オーバーホールは、大きく「分解」「洗浄」「注油」「組立」という4つのステップで進められます。

2-1-1. ケース・ムーブメントの分解

まず、時計の外装(ケース、ブレスレット)を丁寧に取り外し、内部のムーブメント(機械部分)を取り出します。
その後、ムーブメントをひとつひとつのパーツに完全に分解していきます。

機械式時計の場合、数百もの細かいパーツで構成されているため、技術者の高いスキルが求められる作業です。
この段階で、目に見えない汚れや摩耗も細かくチェックされます。

2-1-2. 各パーツの洗浄と検査

分解されたパーツは、専用の洗浄機や超音波洗浄機を使って、古い潤滑油や汚れを徹底的に除去します。

洗浄後、ひとつひとつのパーツを目視や顕微鏡で検査し、摩耗や破損がないかを確認。
必要に応じて、劣化したパーツは新品に交換されます。

この洗浄と検査工程が、時計を新品同様のコンディションに戻すための基礎となる重要なステップです。

2-2. 精度調整と防水検査

内部がクリーンになった後、パーツに新たな潤滑油を注油し、再び組み立てを行います。
ここからは、精度調整と防水検査が始まります。

2-2-1. 精度調整(タイムグラファーによる測定)

組み上がったムーブメントは、「タイムグラファー」と呼ばれる専用機器を使って、時間の進みや遅れを測定します。

  • 日差(1日に進む秒数/遅れる秒数)
  • 振り角(テンプの振れ具合)
  • ビートエラー(左右のバランス)

などを細かく測定し、最適な精度に調整していきます。
この精度調整によって、オーバーホール後も安心して腕時計を使用できる状態に仕上げられます。

2-2-2. 防水検査とパッキン交換

精度調整が完了したら、防水性のチェックに移ります。

専用の防水検査機を使い、ケースの気密性をテスト。
必要に応じて、防水性能を保つための**パッキン(ゴム製シール)**を新しいものに交換します。

特にダイバーズウォッチや高級モデルでは、防水性能が資産価値にも影響するため、重要な工程となります。

2-3. 作業にかかる期間の目安

オーバーホールは、専門的かつ繊細な作業の連続です。
そのため、ある程度まとまった作業期間が必要となります。

2-3-1. 通常オーバーホールの所要期間

一般的なオーバーホールの場合、
2週間〜1か月程度が標準的な目安です。

ただし、作業混雑時や、ブランドによってはさらに時間がかかるケースもあるため、事前に納期を確認しておきましょう。

2-3-2. 部品取り寄せが必要な場合の納期

もしオーバーホール中にパーツの劣化・破損が発見され、交換が必要となった場合、
パーツ取り寄せの期間が追加されることがあります。

特に希少なヴィンテージモデルや海外ブランドの場合、取り寄せに数か月単位かかることもあるため、時間に余裕を持って依頼するのがベストです。

 

3. オーバーホールの頻度とタイミング

腕時計を長く愛用し、資産価値も保つためには、適切なタイミングでオーバーホールを行うことが欠かせません。
ここでは、機械式時計とクォーツ式時計それぞれの適切なオーバーホール頻度、そしてオーバーホールが必要なサインについて詳しく解説します。

3-1. 機械式時計の場合(3~5年)

3-1-1. どんな使い方でも3~5年が目安

機械式時計の場合、一般的に3〜5年ごとのオーバーホールが推奨されています。
これは、時計内部の潤滑油が経年劣化し、ムーブメントに負荷をかけてしまうためです。

どんなに丁寧に使用していても、潤滑油の劣化や微細なゴミの蓄積は避けられません。
そのため、「問題なく動いているから大丈夫」と思っていても、定期的なオーバーホールは必須といえるでしょう。

特に資産価値の高いモデルを所有している場合、3~5年ごとのオーバーホール履歴は、将来のリセールバリューにも良い影響を与えます。

3-1-2. 使用頻度による違い

とはいえ、実際には使用頻度によってオーバーホールのタイミングは若干前後します。

  • 毎日着用する場合 → 3年程度を目安
  • コレクションとしてたまに着用する場合 → 4〜5年でも問題なし

日常的に使うほど内部パーツへの負荷が大きくなるため、こまめなメンテナンスが重要になります。
また、あまり使わなくても油の劣化は進むため、「使用頻度が低い=オーバーホール不要」とはならないので注意しましょう。

3-2. クォーツ式時計の場合(4~6年)

3-2-1. クォーツ時計でもオーバーホールは必要?

「クォーツ式ならオーバーホールはいらない」と思われがちですが、実はクォーツ式時計にもオーバーホールは必要です。

クォーツ時計は機械式ほど複雑な構造ではありませんが、内部にはモーターや歯車などの機械部分があり、経年劣化や油の劣化の影響を受けます。
放置すると、防水機能の低下や内部腐食を引き起こし、結果的に高額な修理が必要になることも。

目安としては、4〜6年ごとにオーバーホールを行うのが理想です。

3-2-2. 電池交換と同時に行うべきか

クォーツ時計の場合、電池交換のタイミングでオーバーホールを検討するのが効率的です。

特に、以下のような状況に当てはまる場合は要注意です。

  • 電池がすぐに切れる
  • 精度が不安定になってきた
  • 電池が液漏れしていた

電池交換だけで済ませるより、内部の洗浄や点検を一緒に行った方が、結果的に時計の寿命を延ばすことができます。

3-3. オーバーホールが必要な兆候

定期的なオーバーホールが理想ですが、それとは別に時計からのサインに気づくことも大切です。

3-3-1. 精度が急に狂う

これまで安定していたのに、急に時間がズレる、遅れる、進みすぎるようになった場合は、内部トラブルの兆候です。

潤滑油の劣化やパーツ摩耗が原因であることが多く、放置するとさらに状態が悪化します。
このような精度の異常に気づいたら、早めにオーバーホールを依頼しましょう。

3-3-2. リューズ操作が重く感じる

リューズ(時刻合わせのつまみ)がいつもより固く感じる、回しにくくなるといった変化も、オーバーホールが必要なサインです。

内部の油切れやパーツの摩耗により、動きが悪くなっている可能性があります。
無理に操作を続けると、リューズや内部パーツが破損する恐れがあるため、違和感を覚えたら速やかに点検を依頼することが大切です。

 

4. オーバーホールの費用相場

オーバーホールは腕時計を長く使うために欠かせないメンテナンスですが、気になるのはやはり「費用」でしょう。
ここでは、メーカー別の料金目安や、依頼先による費用の違い、そして費用に影響する要素について詳しく解説していきます。

4-1. メーカー別の料金目安

オーバーホールの料金は、ブランドやモデルによって大きく異なります。

4-1-1. ロレックス、オメガなどの参考価格

たとえば、代表的な高級ブランドの正規オーバーホール料金は以下が目安です。

  • ロレックス(機械式モデル)
    → 約5万円〜8万円前後(※クロノグラフモデルはさらに高額)
  • オメガ(スピードマスター、シーマスターなど)
    → 約4万円〜7万円前後

これらはあくまで基本料金であり、パーツ交換が必要になった場合はさらに追加費用が発生します。

4-1-2. 高級ブランドとミドルレンジブランドの違い

高級ブランド(パテックフィリップ、オーデマピゲなど)の場合、オーバーホール料金は10万円を超えることも珍しくありません。
一方、セイコーやタグ・ホイヤーといったミドルレンジブランドでは、2万〜5万円台が一般的な相場です。

高級時計ほどパーツ精度が高く、作業に高度な技術を要するため、どうしても料金が高額になります。
腕時計の購入価格だけでなく、ランニングコストとしてオーバーホール費用も考慮しておくことが大切です。

4-2. 修理専門店との価格比較

オーバーホールを依頼できるのは正規メーカーだけではありません。
街の修理専門店や独立系の時計技師に依頼する選択肢もあります。

4-2-1. 正規サービスと専門業者の料金差

一般的に、正規サービスのオーバーホールは価格が高めに設定されています。
理由は、純正パーツの使用や、ブランドの品質基準に則った作業が保証されているからです。

一方、修理専門店では、同様の作業内容でも正規の6〜8割程度の料金で対応してもらえる場合があります。
たとえば、ロレックスのオーバーホールが正規で8万円かかるところ、専門店なら5万円程度でできることも。

4-2-2. 専門業者を選ぶメリット・デメリット

【メリット】

  • 費用が比較的安い
  • 柔軟な対応(古いモデルや並行輸入品にも対応)

【デメリット】

  • 保証期間が短い場合がある
  • 技術レベルにバラつきがある(信頼できる店選びが必須)

価格だけで判断せず、口コミや実績をしっかりチェックしたうえで選びましょう。

4-3. 費用に影響する要因

オーバーホールの料金は一律ではなく、いくつかの要因によって変動します。

4-3-1. パーツ交換の有無

オーバーホール中にパーツの摩耗や破損が見つかった場合、部品交換費用が追加されます。
これが料金を押し上げる一番大きな要素です。

特に、古いモデルや生産終了品はパーツ代が高額になることもあり、予想以上の費用がかかるケースもあります。

4-3-2. 時計のモデルや年代による違い

同じブランドでも、モデルや製造年代によって作業の難易度やパーツ入手の難しさが異なります。

  • 現行モデル → 部品も豊富で作業しやすいため比較的安価
  • ヴィンテージモデル → 特殊パーツが必要になり、費用が高騰することも

そのため、オーバーホールを依頼する際は、見積もりを事前に取り、納得してから依頼することが大切です。

 

5. オーバーホールの依頼先の選び方

腕時計のオーバーホールは、ただ技術があればよいというものではありません。
「どこに依頼するか」によって、時計の仕上がりや将来の資産価値に大きく差がつくこともあります。

ここでは、オーバーホールの依頼先を選ぶ際のポイントを詳しく解説していきます。

5-1. 正規メーカーと修理専門店の違い

まず大きな選択肢となるのが、「正規メーカー」か「修理専門店」か、という点です。
それぞれのメリット・デメリットを理解して選びましょう。

5-1-1. 正規オーバーホールの安心感

正規メーカーにオーバーホールを依頼する最大のメリットは、「安心感」です。

  • 純正パーツの使用が保証されている
  • ブランド基準に沿った厳密な作業が行われる
  • 正規の修理履歴が残るため、資産価値が保たれる

特にロレックスやパテック フィリップなど、リセールバリューを重視する高級時計の場合は、正規オーバーホールが推奨されます。
その分、費用は高く、納期も長めになる傾向がありますが、信頼性は抜群です。

5-1-2. 修理専門店のコストパフォーマンス

一方、修理専門店を利用するメリットは、何といってもコストパフォーマンスです。

  • 正規より2〜4割ほど安く済むことが多い
  • 柔軟な対応が可能(並行輸入品や廃盤モデルにも対応)
  • 作業期間が比較的短い

ただし、技術力や使用パーツの品質は店舗によってバラつきがあるため、信頼できる専門店を見極めることが重要です。

5-2. 信頼できる業者の見極め方

修理専門店を利用する場合、適当に選んでしまうと大切な時計を傷めてしまうリスクもあります。
信頼できる業者を選ぶためには、次のポイントをチェックしましょう。

5-2-1. 技術者の資格・実績をチェック

まず確認したいのは、担当技術者の「資格」と「実績」です。

  • CW21(Certified Watchmaker of the 21st Century)
  • WOSTEP(スイス時計技術者養成校認定資格)

など、国際的な認定資格を持っている技術者が在籍しているかは、大きな信頼材料になります。
また、創業年数やこれまでの修理実績も確認し、経験豊富な店舗を選びましょう。

5-2-2. 口コミ・レビューの活用方法

実際に依頼した人たちの口コミやレビューも非常に参考になります。

  • Googleマップの評価
  • 口コミサイトや掲示板の書き込み
  • SNSでの評判

などをチェックして、「仕上がり」「対応の丁寧さ」「料金の妥当性」について客観的な情報を集めましょう。
特に、悪い口コミへの対応の仕方を見ると、その業者の本当の姿が見えてきます。

5-3. 保証やアフターサービスの確認ポイント

オーバーホール後も安心して時計を使い続けるためには、保証やアフターサービスの内容もしっかり確認しておきましょう。

5-3-1. 保証期間の有無と内容

オーバーホール後には、一般的に「作業保証」が付くことが多いです。
保証期間の目安は以下の通り。

  • 正規メーカー → 約1年間
  • 修理専門店 → 約6か月〜1年

保証の範囲も要チェックです。
「自然故障のみ対象」なのか、「全体的な動作保証」なのか、細かい違いがあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

5-3-2. アフターサービスの充実度を比較

また、アフターサービスの内容にも注目しましょう。

  • 無料点検の有無
  • 再調整や不具合対応のスピード
  • 次回以降の割引制度など

これらが充実している業者は、顧客満足度も高く、長く安心して付き合えるパートナーになり得ます。

 

6. オーバーホールを怠った場合のリスク

「今のところ普通に動いているから大丈夫」とオーバーホールを後回しにしていませんか?
実はオーバーホールを怠ることで、時計には深刻なダメージが蓄積していきます。
ここでは、定期的なメンテナンスを怠った場合に起こり得るリスクについて、具体的に解説します。

6-1. 精度の低下や故障の原因

時計のコンディションを左右する要素は、見えない部分で少しずつ進行しています。

6-1-1. 潤滑油の劣化によるムーブメント損傷

腕時計内部では、ギアや歯車がスムーズに動くために潤滑油が使われています。
しかしこの油は、経年劣化によって徐々に乾燥し、粘度が低下していきます。

油切れを起こすと、金属同士が直接擦れ合うようになり、摩擦が増加。
その結果、

  • ギアや歯車の異常摩耗
  • 軸受け部分の変形や破損 といった深刻なダメージが生じてしまいます。

一度このような損傷が起きると、単なるオーバーホールだけでは対応できず、高額な部品交換や修理が必要になるケースもあります。

6-1-2. ゴミやサビの蓄積による故障リスク

潤滑油の劣化だけでなく、内部に微細なゴミや水分が侵入すると、時計内部でサビが発生するリスクも高まります。

特に防水性能が劣化した状態で使用を続けると、

  • 文字盤のシミ
  • ムーブメント内部の腐食
  • 精度の著しい低下 など、時計全体のコンディション悪化につながります。

これらはオーバーホールを定期的に行うことで未然に防ぐことができるため、放置しないことが重要です。

6-2. 修理不能や高額な修理費用の可能性

オーバーホールを怠り続けると、やがて時計そのものの寿命を縮めてしまう可能性もあります。

6-2-1. 取り返しのつかないダメージ例

たとえば、

  • メインプレート(ムーブメントの基盤部分)が損傷
  • ギアトレイン(動力伝達機構)が破損
  • サビが内部に広がってしまった

こうしたケースでは、修理自体が困難、あるいは非常に高額な作業になることもあります。
特に古いモデルでは、交換用パーツがすでに入手できないため、**「修理不能」**と判断されることも珍しくありません。

6-2-2. メーカー修理不可=価値大幅下落のリスク

さらに、メーカー修理不可となった場合、その時計の市場価値は大幅に下落してしまいます。

たとえば、ロレックスやパテックフィリップのような資産性の高い時計でも、

  • 正規修理履歴がない
  • メーカー基準を満たさない個体 と判断されると、中古市場での評価が大きく下がるのです。

「たかがオーバーホール」と思わずに、将来的な資産価値を守るためにも、定期的なメンテナンスを怠らないことが重要です。

 

7. オーバーホールに関するよくある質問

オーバーホールを初めて依頼する方にとっては、疑問や不安も多いもの。
ここでは、特に多く寄せられる質問をピックアップし、わかりやすくお答えします。

7-1. オーバーホール中の代替時計は必要?

オーバーホールには数週間から数ヶ月かかる場合もあります。
その期間中、手元に使える時計がないと不便に感じる方も多いでしょう。

7-1-1. 代替機サービスの有無を確認しよう

一部の正規メーカーや修理専門店では、代替機サービスを提供しているところもあります。
これは、オーバーホール期間中に一時的に貸し出してもらえるサービスで、特に普段から腕時計を必需品として使っている人にとって便利です。

ただし、代替機の貸出には別途料金がかかる場合や、モデルが限定されることもあるため、事前に確認しておきましょう。

7-1-2. 普段使い用の時計を用意するメリット

代替機サービスを利用しない場合でも、普段使い用のセカンドウォッチを持っておくと安心です。

  • 仕事用にシンプルなクォーツ時計
  • アウトドア用にタフなスポーツウォッチ

など、用途に合わせて複数持っておくことで、オーバーホール期間中も快適に過ごすことができます。

7-2. 自分でオーバーホールは可能?

「簡単な手入れなら自分でできるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、オーバーホールは高度な専門技術が求められる作業です。

7-2-1. 自己メンテナンスの限界

市販の時計用工具を使えば、裏蓋を開けたり電池交換をしたりすることは可能です。
しかし、ムーブメントの分解・洗浄・組み立てはプロレベルの技術と専用設備が必要になります。

素人が無理に分解すると、

  • パーツを傷つける
  • 元に戻せなくなる
  • 保証が無効になる などのリスクが高まるため、自己オーバーホールは絶対に避けましょう。

7-2-2. プロに任せるべき理由

腕時計は数百個にも及ぶ精密パーツで構成されています。
そのため、資格を持った専門技術者に任せることが、安全かつ確実に時計を守る唯一の方法です。

プロによるオーバーホールなら、

  • 専用の洗浄機器や測定器を使用
  • 必要に応じたパーツ交換や調整が可能
  • 正しい保証が付く というメリットも享受できます。

7-3. オーバーホール後の保証期間は?

せっかく費用をかけてオーバーホールしたのだから、その後の保証についても気になるところですよね。

7-3-1. メーカー保証の一般的な期間

正規メーカーでオーバーホールを依頼した場合、
保証期間は約12ヶ月が一般的です。

この期間内に自然故障が発生した場合は、無償で修理や再調整をしてもらえることがほとんどです。
ただし、落下や水没など「使用者側の過失」による故障は保証対象外になる点には注意が必要です。

7-3-2. 保証対象となる修理内容

保証対象となるのは基本的に、

  • 精度不良(時間の狂い)
  • ムーブメントの異常停止
  • 交換したパーツの不具合
    など、オーバーホール作業に関連するトラブルです。

保証内容や対象範囲は依頼先によって若干異なるため、オーバーホール完了時に保証書や修理明細をしっかり確認・保管しておくことをおすすめします。

 

8. まとめ|大切な腕時計を守るために、オーバーホールを習慣に

ここまで、腕時計のオーバーホールについて

  • そもそもオーバーホールとは何か
  • 必要な理由や作業工程
  • 頻度や費用、依頼先の選び方
  • 放置した場合のリスク
    まで幅広く解説してきました。

腕時計は単なる道具ではなく、時を刻む相棒であり、大切な資産でもあります。
しかし、どんなに高級な時計でも、メンテナンスを怠れば確実に劣化し、いずれ取り返しのつかないダメージを受けてしまいます。

だからこそ、3〜5年ごとのオーバーホールを習慣にし、

  • 精度を保つ
  • 見た目の美しさを維持する
  • 資産価値を守る
    ためのケアを怠らないことが大切です。

また、依頼先選びも非常に重要なポイント。
正規メーカーと信頼できる修理専門店、それぞれの特徴を理解し、あなたの時計に合ったベストな選択をしましょう。

大切な1本と、これからもずっと一緒に歩んでいくために。
この記事を参考に、ぜひあなたの腕時計にも愛情を注いであげてください。

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